介護で優しくなれないあなたへ♡

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1. ほっと一息、お昼休み

今日も午前中のお仕事、お疲れ様。 私は毎朝、自分へのささやかなご褒美として、具だくさんのあたたかいお味噌汁を作っています。

「さあ、お昼休み。ご褒美を食べよう」 そう思った瞬間、スマホが鳴りました。画面に映るお名前を見て、直感的に「あ、これは長くなりそうだな」と箸を置きました。

「まりーさん!きいてよ!」 受話器越しに聞こえてきたのは、過呼吸気味で、今にもパニックになりそうな表情が目に浮かぶような、お嫁さんの震える声でした。

2. 「私のお金なんだから!」という叫び

お嫁さんの悩みは、95歳になる同居の義母・Aさんのこと。 Aさんは一人で買い物に行けるほどお元気なのですが、最近、スーパーで一度に大金を使ってしまう「買い物症候群」が再発してしまったのです。

「私のお金なんだから、1万円ちょうだい!」 毎日そう詰め寄られ、月に8万円も使ってしまう。10万円の年金では、デイサービスの支払いも危うい……。

パニックになるお嫁さんに、私は少しでも心が軽くなればと、認知症という病気についてゆっくりとお話ししました。

  • 認知症は「病気」であって「性格」ではないこと 「わがままになった」のではなく、脳の病気がそうさせているだけ。本人に悪気は一切ないということ。
  • 「忘れる」のレベルが少し違うこと ヒントがあれば思い出せる「物忘れ」とは違い、体験したことすべてが消えてしまうのが認知症。「さっき言ったでしょ!」が通用しないのは、脳の記憶の引き出しそのものが壊れてしまっているから。

でも、どれだけ説明しても、お嫁さんの言葉にならないパニックは続きました。 「認知症という病気を理解するのは、本当に、本当に難しいことだよな……」

3. お嫁さんの言葉に映った、私自身の姿

その時、ふと胸がチクリと痛みました。 「あれ? 偉そうに解説してるけど、私だって家では母のことを『理解』できてないじゃない」

認知症は脳の病気。本人が一番不安で、苦しい。 頭では分かっているはずなのに、私も家では母に対してイライラし、「なんでそんなことするの!」と怒鳴り、母をただの「困った人」にしてしまっている……。

ケアマネとして20年働いていても、自分の親のことになると、私も一人の「余裕のない娘」に逆戻りしてしまうんです。 「お嫁さんは、解決策が知りたいんじゃない。ただ、誰かに聞いてほしいだけなのかもしれない」 そう気づいて、私はただ、彼女の言葉に耳を傾け続けました。

4. 「離れること」は、愛すること

お嫁さんの話が40分を過ぎる頃、電話越しの呼吸が少しずつ穏やかになっていくのが分かりました。私は自分自身にも言い聞かせるように、こう伝えました。

「お嫁さん、優しくなれないのは、あなたが冷たいからじゃない。限界まで頑張っている証拠ですよ。 もし、言いたくないことを言い返しそうになったら、その場を離れてください。 別の部屋へ行く、お茶を飲む、外へ好きなものを買いに行く。その数分間が、お義母さんを傷つけないための『優しさ』になり、あなたの心を守ることにもなるんだから。Aさんなら、半日一人でいても大丈夫ですよ」

5. 最後に:温め直して、また明日

電話を切ったあと、私はすっかり冷たくなったお味噌汁をレンジで温め直しました。

認知症という病気と向き合うのは、きれいごとじゃありません。 でも、パニックになるほど一人で悩まないでほしいんです。 辛いとき、苦しいとき、誰かに話すだけで、心の重荷は8割くらい軽くなることがあります。家族や、地域の人、ケアマネジャー……。誰でもいいから、あなたの声を届けてみてください。

温かいお味噌汁を飲んで、ホッとする時間。 そんな小さな自分へのケアを大切にしながら、また明日、一緒に一歩だけ踏み出してみませんか。

かいごは、きあいいれすぎると ぱんくしちゃうから、たまには てばを ぬくことも だいじ。 つめたくなった おみそしるは ちんすれば いいけど、じぶんの こころは ちんできないから。

こんやは、るーびーでも のんで、えみふるで いこうぜ。 あしたも、ばんがれ

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