【膀胱がん疑い⑤】術前検査は終わった。でも不安だけは終わらなかった

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📖 この記事は「膀胱がん(疑い)体験記」シリーズです。
前回:手術が決まった日と止まらない検索地獄

手術が決まった。

2か月後という日程だけが決まって、私は日常に戻った。

仕事をして、オハナさん(母)の介護をして、ご飯を作って、眠る。

その繰り返しの中に、ずっと「がんかもしれない」という気持ちが張り付いていた。

手術前検査の日。血液検査、尿検査、CT、MRI、心電図。

検査自体はサクッと終わった。

経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)に向けた術前検査、思っていたよりずっとあっさりだった。

……問題はその後だった。

結果の診察まで、3時間待ち。

スマホを開く。でも文字が頭に入ってこない。

売店を歩く。でも何も買う気になれない。

椅子に座って、ぼんやり待合室を見渡す。

お年寄りばかり。しかも男性ばかり。

前回も感じたあの「場違い感」が、また押し寄せてきた。

そのとき、ふと気づいた。

少し離れた席に、自分と同じくらいの年代の女性がいた。

言葉は交わさなかった。目が合ったわけでもない。

でも、その存在がなぜか心強かった。

あの人も、手術するのかな。

それだけで、少し息ができた気がした。

頭の中ではずっと、同じ言葉がぐるぐるしていた。

がんかぁ……がんかぁ……
私が、がん???

3時間後、ようやく名前を呼ばれた。


例の韓国俳優ドクター(29歳)が、さらりと告げた。

「大丈夫ですね。手術できますよ」

……大丈夫手術「できる」って、どういう意味?


嬉しいのか、複雑なのか、よくわからない顔で診察室を出た。


2か月後。まだ2か月も待つのか。


この手術待ち期間の2か月が、一番きつかった。

かかりつけの先生に駆け込んだ

不安を抱えたまま帰る途中、ふと思い立った。

昔からお世話になっている、町の内科の先生に相談してみよう。

翌日、その足でクリニックへ向かった。

腫瘍の画像を見せると、先生の表情が変わった。

「ん……これだけじゃわからないね」

そう言って先生は、その場でCTとエコー検査をしてくれた。

エコーを担当してくれた検査技師さんが、また気さくな方で。

「膀胱の壁も厚くなってないし、大腸も、腎臓も、すい臓も大丈夫ですよ」と、ひとつひとつ丁寧に見てくれた。

CTも異常なし。

少しだけ、肩の力が抜けた。

ただ——

「強いて言えば……子宮筋腫がひどいですね」

……そっちかい。

膀胱の心配をしていたのに、まさかの子宮筋腫問題が出てくるとは。

人の体って、どこかしらポンコツなんだな、と思った。

夜になるとまた、検索した

かかりつけの先生にも診てもらって、検査の結果も悪くなかった。

それでも、夜になると気持ちが揺れた。

スマホを開く。膀胱がん ステージ。膀胱がん 再発率。膀胱がん ブログ。

いろんな方のブログを読んだ。

「再発しました」というタイトルを見るたびに、心臓が縮んだ。

「5年経過しました」という記事に、何度も救われた。

前向きになれる記事を探しながら、怖い記事も目に入ってくる。

いろんな人に相談して、少し落ち着いて、また不安になって。

その繰り返しだった。

一番後悔していたのは、病気そのものではなかった

実はこの頃、一番後悔していたのは病気そのものではありませんでした。

半年前に、がん保険を解約してしまったことです。

「自分は大丈夫」と思っていたから。

介護の仕事を20年やってきて、たくさんのご家族を見てきました。

病気になって初めて気づくこと、たくさんある。

でも不思議なことに、自分のことになると思うんです。

「私はまだ大丈夫」って。

元気なうちにしか選べないものって、本当にあるんだな、と今は痛感しています。

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手術まで、あと2か月。

普通の生活を、普通にこなす日々が続いた。

それだけのことが、こんなに遠く感じたことはなかった。

▶ 次回:手術当日のこと、書きます。

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