「今ごろ、転んでないかな」認知症の母に見守りカメラをつけて2年|ケアマネの私が感じたこと

オハナさんとの日常

「今ごろ、転んでないかな」

仕事中、ふとスマホに手が伸びる。
お昼ご飯はちゃんと食べただろうか。
今日は暑いのに、またエアコンを切ってしまっていないだろうか。

認知症の母・オハナさん(89歳)と暮らしていると、この小さな心配は一日中どこかにあります。

私はケアマネジャーとして20年働いてきました。
ご家族に「転倒リスク」を説明してきた側の人間です。
でも、それが自分の母のことになった途端、冷静でなんかいられない。

今日は、私が見守りカメラを2年間使ってわかったことを、良かったことも困ったことも含めて正直に書きます。

仕事から帰ったら、玄関で倒れていた

あの日のことは、今でもはっきり覚えています。

仕事を終えて帰宅し、玄関のドアを開けたら、オハナさんが倒れていました。

「お母さん!」

声をかけると、意識はありました。
でも、返ってきた声はかすれて、ほとんど出ていませんでした。
自分では、起き上がることもできない。

失禁したまま、そこに横になっていました。

おそらく、お昼御飯が手つかずだったので

朝に転んだのだと思います。
私が夕方に帰るまで、ずっとそのままでした。

救急搬送され、脱水と尿路感染がわかりました。
褥瘡(じょくそう)もできていて、そのまま入院となりました。

入院は、1か月に及びました。

「見えない時間」が怖い。

同居していても、仕事に行けば何時間も離れます。買い物だって1時間はかかる。
その間に何かあっても、誰も気づけない。

高齢者の転倒は、倒れた瞬間だけが危険なのではありません。
倒れたまま動けない時間が長くなること。
長時間動けないことで、脱水など全身状態の悪化につながることもあります。

退院してきた母を迎えながら、私は見守りカメラを探し始めました。

正直に言うと、私は「カメラ反対派」でした

ただ、すぐに決められたわけではありません。

ケアマネジャーとして初めてカメラのあるお宅を担当したとき、私は正直ぎょっとしました。
(プライバシーは……いいのかな)と。

でも、カメラのあるご家庭を何件も担当するうちに、考えが変わっていきました。
ご本人の安全だけでなく、ご家族や、支えている介護職まで守ったケースを見てきたからです。

その話は長くなるので、別の記事に書きました。
「監視みたいで抵抗がある」という方には、こちらを先に読んでいただきたいです。

▼ あわせて読みたい ▼
「親に内緒で見守りカメラをつけています」ケアマネの私が今も迷っていること

カメラに助けられた日のこと

迷いながら設置したカメラですが、実際に何度も助けられています。

ある夜中。ふと目が覚めてスマホを見ると、オハナさんがポータブルトイレのすぐ横で倒れていました。すぐに寝室へ駆けつけて起こすことができた。あのまま気づかなかったら、朝まで冷たい床の上にいたかもしれません。

ある昼間。仕事中にカメラを見たら、リビングで倒れて動けなくなっている。すぐに自宅へ戻って起こしに行きました。

どちらも、大事にはなりませんでした。
あの1か月の入院と、何が違ったのか。
気づけたかどうか。ただ、それだけです。

カメラは転倒を防いでくれるわけじゃない。
治療もしてくれない。
でも、「気づける」。

たったそれだけのことが、結果をまったく変えてくれました。

2年使ってわかった、良いところ

私が使っているのは塚本無線の見守りカメラで、リビングと寝室の2か所に設置しています。
※この機種はすでに廃盤のため、選び方は記事の最後にまとめます。

いちばん助かっているのは、実は「音」

意外に思われるかもしれませんが、映像より音に助けられています。

映像だけだと、じっと座っているのか具合が悪いのか判断がつかないことがある。
でも音があると、状況がぐっとわかる。テレビの音、独り言、立ち上がる物音。
「あ、今動いたな」「機嫌よさそうだな」が、音だけで伝わってきます。

赤外線と画質は、夜間の見守りに直結する

赤外線の暗視機能は、夜間の見守りで特に役立っています。真っ暗でも顔まで見えるので、転んでいるのか、ただ横になっているのか判別できます。

画質も大事です。表情まで見えると「苦しそうか、穏やかか」まで伝わる。
見守りカメラは「映ればいい」ではなく、状況が判断できるかどうかだと実感しています。

[夜間赤外線映像の画像]
実際の夜間映像です。部屋は真っ暗ですが、赤外線機能で様子を確認できます。

双方向通話

スマホから声をかけられる機能もありますが、私は普段使っていません。
ご本人に説明したうえで使うなら、離れた場所から「ごはんできたよ〜」と声をかけられる便利な機能です。

室温は「温度計を映す」という方法で見ています

認知症あるある。夏場にエアコンを切ってしまう。オハナさんもやります。
真夏に厚手のカーディガンを着ていることもあります。

温度が表示できるカメラもありますが、私のものにはその機能がありません。
そこで、こうしています。

カメラが映る位置に、室温計を置く。

数百円の温度計ひとつで、どんなカメラでも「室温がわかるカメラ」になります。

「30度を超えている」とわかれば、すぐに帰ることができる。

熱中症だけでなく、冬場は室温が下がりすぎていないかも気になります。
高齢になると暑さや寒さを感じにくくなることもあるため、室温を「見えるようにしておく」だけでも安心につながります。

▼ あわせて読みたい ▼

困っていること:落とす、向きを変える、そして——

良いことばかり書くのはフェアではないので、正直なところも書いておきます。

まず、落とします。
気になるのか触ってしまうのか、気づくと床に落ちている。
手が届きにくく、それでいて部屋全体が映る置き場所を探すのに、けっこう時間がかかりました。

そして、向きを変えてしまう。
スマホで見たら壁しか映っていない、ということも。
私のカメラはスマホから向きを操作できるので戻せますが、この機能がない機種だと厳しいと思います。

ときどき、画面いっぱいにオハナさんの顔が映ります。

カメラをのぞき込んでいるのです。

じっと、まっすぐこちらを見ている。
その顔を見るたびに、胸のあたりがきゅっとなります。
困ることのはずなのに、この瞬間だけは、ちょっと嬉しいし、可愛い(笑)

ケアマネとして、買う前に知っておいてほしいこと

「介護保険でレンタルできますか」とよく聞かれます。ここは少し複雑です。

市販の見守りカメラは、基本的に全額自費です

家電量販店やネットで買えるカメラは、介護保険の対象外。全額自己負担になります。

ただし「認知症老人徘徊感知機器」という選択肢があります

福祉用具貸与には「認知症老人徘徊感知機器」という種目があり、この種目の対象となるカメラ型の製品もあります。

ただし注意点があります。
この種目は「外に出ようとするのを感知して家族に知らせる」ことを想定した用具なので、「転倒に気づきたい」という目的だけでは対象にならないことがあります。
また、要介護度による利用条件もあります。

制度の取り扱いは、保険者(市区町村)によって判断が分かれる部分でもあります。
検討される場合は、担当のケアマネジャーか、福祉用具貸与事業所に相談してみてください。「うちの場合はどうですか」と聞いていただくのが確実です。

自治体の助成や、緊急通報装置という選択肢も

市区町村によっては、緊急通報装置の貸与や見守り機器の助成制度があります。内容は自治体ごとにまったく違うので、買う前に一度、地域包括支援センターにお問い合わせください。

「カメラを付けたい」とケアマネに相談していいんです。
遠慮される方が多いのですが、こういう相談は大歓迎です。
どこに何台置くか、どの機能が必要か、ご本人にどう伝えるか。一緒に考えられることがあります。

▼ あわせて読みたい ▼
ケアマネって何してくれる人?現役20年の私がわかりやすく解説します

介護目的で選ぶなら、この4つは外せません

2年使って、そして仕事で何件も見てきて、はっきりわかったことがあります。
介護に使うカメラは、ペット用や防犯用とは選ぶ基準が違うということです。

① 音声が聞こえる(状況判断がまるで違います)
② 赤外線の暗視機能(夜間の転倒発見に必須)
③ スマホから向きを動かせる(向きを変えられても戻せる)
④ 録画機能がある(あとから「何があったか」を確認できる)

特に④の録画機能。
私は仕事の現場で、この機能がご家族と介護職の信頼関係を守った場面を見たことがあります。
「今を見る」だけでなく「あとから確かめられる」ことには、想像以上の意味があります。

[アフィリエイトリンク:見守りカメラ 現行機種]

そして、カメラと一緒に置いてほしいのがこちら。
数百円ですが、これがあるだけで熱中症対策の質が変わります。

[アフィリエイトリンク:室温計]

※価格は変動するため、最新の価格はリンク先からご確認ください。

「今日も、無事だった」

実際に私がスマホで確認している映像です。

画質もきれいで、離れた場所からでもオハナさんの表情までしっかり確認できます。元気そうか、眠そうか、いつもと様子が違わないかなどが分かるので、見守る側としても安心感があります。

今日も仕事の合間に、スマホでカメラを開きました。

リビングで、テレビを見ているオハナさんが映っています。
テーブルの上のお昼ご飯はちゃんと減っている。
なぜか今日は少し厚着だけれど、元気そうにテレビを見ている。

「今日も、無事だった」

その一言で、少しだけ肩の力が抜ける。

介護をしていると、不安はなくならない。
でも、仕事中に母の様子を確認できる。
それだけで、私の不安は少し軽くなりました。

2年間使い続けている理由は、たぶんそれなんだと思います。

私が使っているのは塚本無線の「みてるちゃん」シリーズですが、私のものはすでに廃盤になっています。同じシリーズの現行モデルがこちらです。上の4つの条件を満たしているので、今から買うならこれを選ぶと思います。

現在4年連続1位 創業48年日本自社工場開発生産 みてるちゃん 500万 温度計 5GHz ベビーモニター 防犯カメラ Amazon国内サーバー自社契約 ペットカメラ 自動追跡 見守りカメラ ワイヤレス 屋内 監視カメラ 小型
価格:3,280円~(税込、送料無料) (2026/8/14時点) 楽天で購入

コメント

タイトルとURLをコピーしました