介護離職する前に読んでほしい|私が選んだ「近づく」という方法

介護の豆知識

「おかーさーん、ただいまー!」

仕事から帰ると、玄関で靴を揃えていたオハナさんが振り返って「おかえり」と笑う。

職場から自宅まで、車でたった5分。
でも5年前までは、この「ただいま」まで40分かかっていました。

親の介護が始まると、「仕事を辞めるべきか」「介護離職した方がいいのか」と悩む方は少なくありません。
多くの方が「仕事を辞めるしかない」と追い詰められます。
でも、ケアマネジャー歴20年、自分自身も89歳の母・オハナさんを在宅介護している私・まりーは、こう思っています。

仕事は辞めなくていい。でも、「働き方を変える」という選択肢がある。

今日は、私が実際にやった「辞めずに近づく」という方法と、それが正解だったと確信した出来事をお話しします。

仕事を辞める前に考えてほしいこと

日々、ケアマネとして相談を受ける中で、「もう無理です、仕事辞めます」と言われることがあります。

そのたびに、私はこうお伝えしています。

「私に任せてください。本当に、どうしようもなくなったときに、一緒に考えましょう。今はまだ、その時ではありません」

なぜそこまで引き止めるのか。

それは、介護一色の生活になると「視野が狭くなってしまう」からです。

家の中で親と二人きり。逃げ場のない空間で向き合い続けると、どんなに優しい人でも心が煮詰まります。いつか爆発してしまう。

外に出て仕事をすることは、単なる収入のためだけではありません。
社会とつながり、誰かと笑い、「私」という個人を取り戻す。
その「外の空気」こそが、親に優しくあり続けるための心のクッションになるんです。

私が選んだ「近づく」という方法

そんなことを言っている私自身、実は5年前に転職をしています。

当時、私は自宅から車で40分の職場で働いていました。
オハナさんは84歳、父は87歳。まだ二人とも元気でしたが、ケアマネとして何百人ものご家族を見てきた私には、わかっていました。

「そろそろだ」と。

二人の介護が本格的に始まったら、片道40分の通勤を続けながら対応するのは厳しい。
仕事を辞めるか、正社員でいられなくなるか——そうなれば、家計にも大きく響きます。

だから私は、「辞める」ではなく「近づく」を選びました。
今振り返ると、これは介護離職を防ぐために私がして良かった決断の一つだったと思います。

思い切って、自宅から車で5分の職場に転職したんです。

片道40分 → 片道5分。
通勤時間が変わっただけ。でも、この「たった35分の差」が、後に私と家族を救うことになります。

転職して半年後、父が倒れた

転職してわずか半年後のことでした。

父が誤嚥性肺炎で救急搬送されました。
そのままICUに2か月。そして……父は帰ってきませんでした。

あの2か月間、私は仕事を続けながら、毎日のように病院に通いました。
職場から病院も近い。仕事が終わってすぐ駆けつけられる。
父がいない間、家でひとりになったオハナさんの見守りもできました。

もし、あのとき40分の職場にいたら——

きっと仕事は続けられなかったと思います。

「近づく」を選んでいたから、仕事を辞めずに済んだ。
仕事を辞めなかったから、自分の生活レベルも守れた。
あの転職は、間違いなく正解でした。

もし万が一、自宅でお看取りをすることになったとしても、私は仕事を辞めないと思います。

それは、将来もし何かを失ったときに「あのとき仕事を辞めたのは、オハナさんのせいだ」なんて思う自分にだけは、絶対になりたくないから。

オハナさんの介護は、誰に強制されたわけでもなく、「私が」選んでやっていること
だからこそ、自分の人生も、キャリアも、大好きなスワローズの応援も、何ひとつ諦めたくないんです。

介護と仕事を両立するための3つのコツ

① 「辞める」の前に「近づく」を考える

転職、リモートワーク、時短勤務、異動願い——「辞める」以外の選択肢は意外とあります。
私のように通勤時間を縮めるだけでも、状況は大きく変わります。

② ケアマネに「仕事を続けたい」と本音をぶつける

実は、ケアマネは「仕事を辞めないための支援」もできます。
でも、ご家族が「仕事を続けたい」と言ってくれないと、その希望をケアプランに反映できません。

デイサービス、訪問介護、ショートステイ。
介護保険サービスは、親のためだけではなく、家族が仕事を続けるためにも使える制度なんです。

遠慮しないでください。「仕事を辞めたくない」——その一言が、ケアマネにとって最高のヒントになります。

③ 「ほこりでは死なない」と決める

家事は少しくらいおろそかでOK。完璧主義を捨てることが、仕事と介護の両立の最大のコツです(笑)。

まりー愛用の見守りカメラ

父が亡くなったあと、一番不安だったのは仕事中のオハナさんでした。

「転んでいないかな」
「ちゃんとご飯食べているかな」

その不安を減らしてくれたのが見守りカメラでした。

仕事中でも夜間でも「食事してる」「あ、寝てるな」と確認できるだけで、心のザワつきが消えます。
私は神宮球場で確認することもあります^^

【塚本無線】みてるちゃんたまご

設定がカンタン:機械が苦手な私でも、スマホですぐ繋がりました!
声がかけられる:「今から帰るよ〜」とスマホから声をかけられるのが嬉しい。
夜でもくっきり:部屋が暗くても、オハナさんの寝顔がしっかり確認できます。

離れていても「つながっている」と思えるだけで、仕事の集中力が全然違いますよ。

みてるちゃんたまごを詳しく見る

夜間でも赤外線でくっきり表情もみえます。

まとめ|辞める前に「近づく」を考えてみて

正直に言います。仕事は辞めないけど、毎朝「あー、仕事休みたい!」「週休5日がいいな」って思いながら起きています。

でも、仕事があるからこそ、家に戻ったときに新鮮な気持ちで「オハナさん、ただいま」と言える。

5年前のあの転職がなかったら、私は今ごろ仕事を辞めて、もしかしたら介護に追い詰められていたかもしれません。

「辞める」と「続ける」だけが選択肢じゃない。
「近づく」という第三の道がある。

無理せず、プロを使い倒して、自分を一番に。
一緒に「えみふる(笑み降る)」な毎日を歩いていきましょう。

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