認知症の90歳の母と熱海旅行|車いす・トイレ・夜間の対応で大変だったこと

オハナさんとの日常

※この記事には、楽天トラベルのアフィリエイト広告が含まれます。

母のオハナさんが、卒寿(90歳)を迎えました。

せっかくの節目なので、私と夫、娘、そしてオハナさんの4人で、熱海へ1泊旅行に行ってきました。

オハナさんには認知症があり、普段の外出では歩行器を使っています。90歳という年齢もあり、旅行となれば移動やトイレなど心配なことはいろいろあります。

それでも、海が大好きな母に、きれいな海を見せてあげたいと思いました。

今回泊まったのは、楽天トラベルで予約した熱海後楽園ホテルです。海が見えるお部屋で過ごし、夕食では夜景を楽しみ、家族で思い出をつくることができました。

もちろん、楽しいことばかりではありませんでした。道中のトイレ探しや夜の混乱への対応など、実際に行ってみなければわからない大変さもありました。

私は普段、ケアマネジャーとして高齢者の生活を支援しています。でも今回は、介護する家族としての旅行です。仕事で知っていることと家族として実際に経験することは、やはり違うものだと感じました。

これから、認知症の親や、歩行に不安のある高齢の家族との旅行を考えている方へ。準備したこと、困ったこと、ホテルでの出来事をまとめます。

海が大好きな母のために、熱海後楽園ホテルを予約

旅行先を熱海にしたのは、オハナさんが海を大好きだからです。

そこで、海が見えるお部屋を選びました。熱海後楽園ホテルのタワー館にあるエクセレンシィルームです。楽天トラベルから予約して、家族4人で宿泊することにしました。

予約のときに、「母の卒寿のお祝いです」と書きました。

すると、ホテルからお電話をいただきました。母が長く歩くことが難しいので、車いすで行くことをお話ししました。そして、お祝いに紫のちゃんちゃんこを準備してくださる、とのことでした。

歩行器ではなく、車いすを借りて出かけました

普段のオハナさんは、外出するときに歩行器を使っています。ただ、旅行先では歩行器で歩くには移動が多いと思いました。そこで今回は、車いすを借りて持っていくことにしました。

もうひとつ、出発前から気になっていたのが、トイレのことです。オハナさんは、非常にトイレが近い。そこで、リハビリパンツと大きめのパッドを当てて出かけました。途中では、道の駅に寄りながら移動することにしました。

車いすも排泄用品も準備して、できるだけ安心して出かけられるようにしたつもりでした。でも実際の旅行では、思っていた以上にトイレに苦労することになりました。

道中で困ったのは、車いすで使えるトイレの少なさ

今回の旅行で、最初に大変だと感じたのは、道中のトイレでした。

車で移動するので、トイレに行きたくなれば、道の駅などに寄ればいい。そう考えていました。

ところが、実際に走ってみると、車いすで使えるトイレが思った以上に少なかったのです。

次の休憩場所まで我慢するのも難しく、道の駅にも寄りましたが、車いすで使えるトイレを探すのは、本当に大変でした。

最終的には、リハビリパンツと大きめのパッドを当てているので、こう伝えました。

「そこにしちゃって🥺」

介護の仕事では、排泄の支援について考える機会が多くあります。でも、家族として外出してみると、トイレの場所を探すこと自体が大きな負担になると実感しました。

これから車いすで旅行をする方には、休憩場所だけでなく、車いすで使えるトイレがどこにあるのかを事前に調べておくことをおすすめしたいです。

タワー館16階、エクセレンシィルームから見えた海

今回宿泊したのは、熱海後楽園ホテルのタワー館16階、エクセレンシィフロアにある、エクセレンシィルームです。

お部屋には、ツインベッドと畳のスペースがありました。

(実際のお部屋)

そして、このお部屋を選んだ一番の理由が、窓からの景色です。窓の外には、熱海の街並みや港、その先に海が見えました。

(オハナさん♪)

海が大好きなオハナさんは、その景色を見て、大変喜んでいました。

高齢の親との旅行では、観光地をいくつも回るよりも、ホテルでゆっくり過ごす時間を大切にするのもいいと思います。特に歩行に不安がある場合は、移動の負担を少なくすることも旅行を楽しむための工夫になります。

なお、今回は車いすを持参して宿泊しましたが、車いす利用者向けの設備がすべて整っていると確認したわけではありません。お部屋の入口やトイレなど必要な設備については、予約の前にホテルへ確認することをおすすめします。

貸切風呂は22時に。チェックイン時間を間違えた私の失敗

今回のお部屋には、貸切風呂がついていました。予約制で、チェックインのときに早い者勝ちで時間を選びます。ところが私がチェックインの時間を間違えてしまい、取れたのは22時でした。

90歳のオハナさんには遅すぎる時間です。22時にはすっかり疲れてしまい、母はお風呂に入ることができませんでした。貸切風呂には、私と娘が入りました。

ホテルのスタッフさんは、母のためにシャワーチェアと段差用のスロープまで準備してくださっていました。使うことはできませんでしたが、その気遣いは本当に嬉しかったです。

高齢の親との旅行では、チェックインの時間だけでなく、お風呂を利用できる時間も確認しておく必要があると感じました。

夕食の夜景に、何度も「きれい」と喜んでいた母

今回の旅行で、私が特に嬉しかったのは、夕食の時間です。

食事をしている場所からは、熱海の夜景が見えました。オハナさんは、その景色を見るたびにこう言って喜んでいました。

「夜景がきれい」

「本当にきれい」

一度や二度ではありません。5分おきくらいに、同じことを繰り返していたのです。

認知症があるので、少し前に同じことを言ったことは忘れているのかもしれません。それでも、そのたびに、本当に嬉しそうでした。

普段の生活では、認知症による物忘れや同じ話の繰り返しが、家族の負担になることもあります。でも、この日の「きれい」は、何度聞いても嬉しい言葉でした。

そして、食事のときには、折鶴も出てきました。オハナさんは、その折鶴を家族の分まで鞄に入れて持ち帰りました。

豪華なお食事や、きれいな夜景も、もちろん素敵でした。でも、小さな折鶴まで大切に持ち帰る母の姿が、私にとっては忘れられない思い出です。

認知症の母との旅行で、夜の対応が一番こたえました

夕食が終わり、お部屋に戻って休む時間になりました。ところが、夜は想像していた以上に大変でした。

オハナさんは、眠ってから目を覚ますと、周りの状況がわからなくなって混乱することがあります。自宅とは違うホテルのお部屋です。目が覚めると、こう言うのです。

オハナさん
オハナさん

ここはどこ?

そして、トイレに行こうとするのです。慣れないベッドでも、ごそごそ動いて降りようとするのです。

それも一度ではなく、何度も落ちそうになります。

そのたびに、私も目を覚ましました。

まりー
まりー

旅行に来ているのよ

オハナさん
オハナさん

あ、そうかごめんね。まりーはちゃんと寝ないとね

まりー
まりー

うん。オハナさんも寝てね。居眠り運転したくないからね

オハナさん
オハナさん

そうだよね、ごめんね

まりー
まりー

おむつを当ててるからそこにしてほしいな

オハナさん
オハナさん

わかった。ここにしていいのね。

そう言って、納得してくれるのです。でも、しばらくすると、また目を覚まします。これを3回繰り返しました・・・

私は、寝不足になりました。

私はケアマネジャーとして、認知症の方が環境の変化で混乱することがあると知っています。それでも、家族として夜に何度も対応するのは、やはり大変です。

しかも翌日は、車を運転して帰らなければなりません。少しでも眠っておきたい。そう思っていても、オハナさんが起きれば、私も起きることになります。

認知症の親との宿泊旅行では、本人が慣れない環境で混乱する可能性があります。

夜の対応をどうするか。翌日の運転を誰がするか。介護する側が無理をしないための準備も大切だと思います。

寝不足での帰り道。そして、帰宅後の母の言葉

翌日は、車で自宅へ帰りました。前の晩に寝不足だったので、帰りの運転は正直怖かったです。

楽しい旅行ではありました。でも、車いすでの移動やトイレの心配、夜の対応など、介護する側にもかなりの負担がありました。

高齢の親との旅行では、本人の体調だけでなく、付き添う家族の体力や安全も考えておく必要があると感じました。

帰宅してから、私はオハナさんが「もう疲れるから、旅行には行きたくない」と言うのではないかと思っていました。慣れない場所で過ごして、本人も疲れていたはずだからです。

ところが、オハナさんから返ってきたのは、予想していなかった言葉でした。

オハナさん
オハナさん

また連れて行ってね

そして、こんなことまで言ってくれました。

オハナさん
オハナさん

お母さんの年金でいこうね

これは気を使っているのではなく本気だと思いました。

あんなに疲れていたのに、また旅行に行きたいと思ってくれたんだ。そう思うと、今回の旅行に連れて行って、本当によかったと感じました。

旅行してわかった、準備してよかったこと・足りなかったこと

90歳のオハナさんとの旅行で、持って行ってよかったものや、事前に確認しておけばよかったことをまとめました。

本人の体の状態によって必要なものは違いますが、これから親との旅行を考えている方の参考になればうれしいです。

持ち物チェックリスト

トイレ・排泄

  • □ リハビリパンツ
  • □ 尿取りパッド(少量用・大容量用)
  • □ 脱臭袋

※脱臭袋は本当に役立ちました。家族4人が同じ部屋で過ごすため、使用済みのパンツやパッドのにおいが気にならないように準備しました。

移動・衣類

  • □ 車いす(必要に応じて)
  • □ 杖など普段使っている歩行補助具
  • □ 背中に当てるクッション
  • □ 長袖と半袖の着替え

※今回は車いすを借りて持参し、杖も持って行きました。畳には車いすは使えないと思ったからです。着替えは長時間座って過ごすことや、気温の変化も考えて準備すると安心です。

健康管理

  • □ マイナ保険証・資格確認書など受診に必要なもの
  • □ 普段飲んでいる薬・お薬手帳
  • □ 血圧計・パルスオキシメーター(必要な方)

※実は私、母の保険証を忘れてしまい、現地で気づきました。近くの病院も調べていなかったので、これは反省です。

本人が楽しむためのもの

  • □ メガネ
  • □ 孫の手
  • □ カメラ・スマートフォン

※オハナさんはパンフレットを自分で見たいし、背中がかゆければ自分でかきたいようです。介護に必要なものだけでなく、本人が「自分でしたいこと」のための持ち物も大切ですね。

出発前に確認しておきたいこと

  • □ 道中に車いすで使えるトイレがあるか
  • □ ホテルのチェックイン時間
  • □ 貸切風呂の予約方法
  • □ 食事の硬さなど、ホテルに伝えておくこと
  • □ 観光地の坂道・段差と移動しやすさ
  • □ 旅行先で受診できる医療機関
  • □ 車いすでの移動やお祝いについてホテルに相談したか

※私は「道の駅に寄ればトイレは大丈夫」と思っていましたが、実際には車いすで使えるトイレがなかなか見つからず、苦労しました。

※熱海駅近くの商店街も坂道が多く、車いすを押すのが大変でした。観光地は、本人の移動手段に合っているかまで確認しておくとよかったと思います。

認知症の親との旅行、ちょっと覚悟しておいたほうがいいこと(笑)

① 自分がゆっくりお風呂に入れるとは限らない

まりー
まりー

せっかく温泉に来たんだから、ゆっくりお湯につかりたい。

そう思ってお風呂に行ったものの、「今ごろオハナさん、部屋で困っていないかな?」と気になってしまう。

結局、30分ほどでお風呂を出てきました。温泉に来たのに、気持ちは半分お部屋に置いてきたようなものです(笑)。

② 夜中も旅行は終わらない

昼間はきれいな海を眺め、おいしい夕食を食べて、楽しい時間を過ごしました。

でも、夜になると「ここはどこ?」が始まります。

説明して、安心してもらって、またしばらくすると「ここはどこ?」

トイレのこともあり、私はなかなか眠れませんでした。

翌日は運転して帰らなければならないのに、娘の睡眠時間はどんどん減っていきます(笑)。

③ いつもと違う場所では、混乱することもある

認知症のある方は、慣れない環境で混乱することがあります。

オハナさんも、昼間は旅行を楽しんでいたのに、夜になると自分がどこにいるのかわからなくなりました。

楽しい旅行だからといって、いつもどおりに過ごせるとは限らないんですね。

まりー
まりー

ここはホテルだよ。みんなで熱海に来たんだよ

同じことを何度説明しても、また聞かれることがあります。

そんなときは、本人も不安なのかもしれないと思いながら、できるだけ落ち着いて対応しました。

旅行は親孝行。でも、付き添う娘にとっては、いつもと違う場所での介護でもあります。

だから、予定どおりにいかなくても、それも旅行の一部。

ただし、翌日運転する人の睡眠だけは、できれば確保したいところです(笑)。

今回泊まったホテルと、予約について

今回の宿泊内容を、まとめておきます。

宿泊先熱海後楽園ホテル
客室タワー館・エクセレンシィフロア・エクセレンシィルーム
宿泊人数4人
宿泊日数1泊2日
宿泊料金約12万円
追加料金料理・飲み物で約1万円
予約方法楽天トラベル

私たちは楽天トラベルから予約しました。宿泊プランや料金は時期によって変わるので、気になる方は確認してみてください。

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大変だったけれど、あの笑顔に会えてよかった

トイレも、夜も、帰りの運転も大変でした。それでも、オハナさんが海を見て喜んでいた姿や、夜景を見ながら何度も「きれい」と言っていたこと、食事の折鶴を家族の分まで持ち帰ったことを思い出すと、やっぱり行ってよかったと思います。

認知症があっても、歩行が不安定でも、本人の体調に合わせて準備をすれば、家族で旅行を楽しめる場合があります。ただし、介護する家族が無理をしすぎないことも大切です。

大変だったこと以上に、母の笑顔が心に残る、忘れられない卒寿のお祝いになりました。

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